忘れるということ 『名探偵はもういない』 【一人言 読書感想文】

一人言

最近、ちょっとした物忘れが気になる。

ちょっと気になるので、調べてみた。

なぜ忘れるのか

忘れることにも役割がある。

1.情報の整理

私たちの脳は、膨大な刺激を受け取っている。

重要な情報以外を捨てることで、本当に大事なことに集中できるようになっている。

2.負担を減らす

全てを覚えると、頭がゴチャつき疲労を抱える。

忘却は精神的な余白を作る働きもある。

ちょっとしたことを忘れる理由

1.優先順位の低さ
脳は「必要なもの=繰り返し使うもの」から優先的に定着させるから、

重要度の低いものは自然と薄れていく。

2.注意の分散
マルチタスクやスマホでの情報過多で、中が切れて記憶に残らないことも多い。

3.加齢や生活習慣
睡眠不足やストレスがあると、短期記憶が安定しにくくなる。

どうして自分の脳は、嫌なことはいつまでも忘れないのだろう…。

日常で忘れやすいもの

1.人の名前

「イメージ」と結びつかないとすぐに抜けやすい。

2.買い物リスト

別の刺激(音や会話)が入った瞬間に上書きされる。

3.「後でやろう」タスク


 脳は「未処理のこと」を一時的に覚えておくけど、他のことに気を取られるとすぐ抜けてしまう。

解決方法

1.名前

その人の特徴と結びつける(例 ◯◯さん=背が高い)

2.買い物リスト

買い物リストを作る。

覚えるならカテゴリーでまとめて覚える。

3.後でやろうタスク

メモアプリや付箋を使う。

本の内容を忘れる

最近の自分が気になっていることが、

本を読んだら、その時は楽しいのに、しばらくすると覚えていないということ。

なので、ちょこっと調べてみました。

なぜ小説の内容を忘れるのか

感情と記憶の関係

 読んでいる最中に「楽しい!面白い!」って感情は強く残るけど、細かいストーリーや人物の名前までは脳に残りにくい。

インプットの性質

 小説は映像や体験に比べると「言葉」だけの情報だから、記憶に定着しづらい。

脳の優先順位

 脳は“生きるために必要”な情報を優先する。娯楽のストーリーは「重要度が低い」と判断されやすいんだ。

もし覚えておきたいなら

印象に残った場面をメモする(スマホでもOK)

人に話してみる(ストーリーを言葉にすると定着しやすい)

繰り返し同じ作家やジャンルを読む(共通点が増えるほど覚えやすい)

なるほど、つまり忘れるのは普通のことだということだ。

むしろ、娯楽としてその瞬間を最大限楽しめている証拠でもあるわけだ。

さらに、もう一度読んでも楽しめる。

楽しむ読書は、なんてコスパのいい娯楽なんだ。

高校時代の思い出の本

高校時代、受験勉強で図書館に閉じこもって勉強していた。

周りの友達はみんな予備校へ行っている中、

貧乏な自分は、「予備校に行きたい」なんて言い出せず。

こんなんで大丈夫かと悩んで、嫌になり、気晴らしに手に取った本。

これが面白くて、勉強そっちのけで一日読みふけってしまった。

あまりにたくさんの点が散りばめられているが、

最後にそれが全て線になる、伏線回収。

興味を誘う「きつねそばでさえ謎解きの重要な問題になる」という帯。

空白の登場人物のページ。

読者への挑戦状。

ミステリー好きの好奇心をくすぐるギミックが満載の本。

ミステリーなので、ネタバレが一番つまんないので、

この本のミステリーと関係ない好きなところをあげたい。

それは “雪” に対する表現が綺麗なところ。

それだけでも、この本を読んでよかったと思わせる。

雪は全てのものを球体に変えようとする。人工物、自然物の別け隔てなく、彼らは存在する全ての物体に満遍なく降り積もり、角張ったもの、尖ったものを嫌うかのように、曲線と丸みを造形していく。触れればそれが冷たいものだなんて思いもつかぬほど、暖かみを感じさせるカーブの連続で、白い芸術家たちは風景を作り替えていた。

名探偵はもういない/霧舎巧

この後の、神様が世界を作った話も好きなのですが、

いかんせん長いので…。

最後に

偶然は神の気まぐれ。幸運が神の意志

名探偵はもういない/霧舎巧

この本に出会えたのは、偶然か幸運か。

コメント

タイトルとURLをコピーしました