『七回死んだ男』 西澤保彦著 を読んで

自分は、レコードやCDをジャケ買いすることがあるのですが、
本に関してもよくします。
この本もそのひとつです。
まず、この表紙だけで面白そうという気にさせてくれます。
読みたくてウズウズする表紙ってなかなかですよね。
カッコつけずに、文字でそのまま表現しちゃうあたりも最高です。
あらすじ
主人公の久太郎は、同じ1日が繰り返し訪れる特異体質を持つ。
資産家の祖父は新年会で、後継者を決めると言い出し、親族が揉める中、何者かによって殺害されてしまう。祖父を救うため久太郎はあらゆる手を使うが…。
背表紙一部参照
読みやすいし大満足
この本は、『蟹工船』と並行して読んでいました。
蟹工船は難しい言葉づかいが多くて、なかなか読み進められなくて、何度か挫折しました。
その時に「ご褒美本」としてこの本を読んだのですが、本当に読みやすくてスラスラ読めます。
蟹工船と並行して読まなくても、読みやすい。
これがライトな文章って、こういう事なんだと思いました。
この『七回死んだ男』は、ゴリゴリにトリックにこだわったミステリーというよりも、
SFの要素をうまく使って、伏線を回収していく気持ちよさがあるミステリーです。
このての伏線回収ものって、あらかじめ言われると「どこかに伏線があるかも」って深く考えちゃって、
何回か前の章を読み直しちゃったりするのですが、
この本は、どこを読んでも伏線っぽくない。
だから、悔しいけどドンドン読み進めて、最後に回収された時に、
「そうだったんだ」と素直に思える展開です。
良かったらぜひ!
最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。
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