歴史に学ぶ男女の交流と礼儀 【一人言 読書感想文】

一人言

以前、古本市にたまたま巡り合い、

「吾輩は猫である」と「蟹工船」の復刻版を購入したのですが、

その際に面白い本と巡り会っていました。

今回はその本を紹介いたします。

男女の交流と礼儀

見るからに古い本です。

こういう本と巡り会えるから、古本屋巡りは面白いです。

さて、この本ですが実は非売品のようです。

というのも、発行元は埼玉県教育局となっており、

当時の文部省からの資料のようなものだと思われます。

現在で言うところの、文部科学省からの答申みたいなものなのでしょうか。

何はともあれ、大事なのは温故知新。

モテない人生を変えるのだ。

時代背景

この本を理解する為には、この当時の時代背景を把握しておく必要がありそうです。

学生時代歴史は苦手だったので、再度学習の必要がありそうです。

敗戦から5年後、復興と民主主義への道を歩み始めた時代ですね。

この時代の主な出来事は

  • 聖徳太子の肖像の千円紙幣を発行
  • 第1回さっぽろ雪まつり開会
  • 政府が朝鮮戦争で米軍への協力方針を了承
  • GHQが新聞社に共産党員とその同調者の追放を指示(レッドパージ開始)
  • 池田大蔵大臣の「貧乏大は麦を食え」発言が問題化(本来の発言の切り取りだったよう)
  • 年齢の表示に満年齢を使用。
  • 多くの主婦が職安への登録を求めて200人座込みを敢行

このような激動の時代の最中といった感じがします。

現代に通じる考え

服装などの考え方は、「男らしく」とか「男性とはこうあるべきだ」という考え方が残った文章なので、

現代だと、時代錯誤感は否めませんが、

精神的に大事なことは現代においても変わらないものですね。

お互いのことを尊重する。

これに尽きるようです。

特にこの時代は、女性の働き方への考え方の変化の時代でもあるので、

より対等に、より平等に関係性を構築していくことが大切だと述べられていました。

また、自由に恋愛ができる時代になったからこそ、

お互いに関係を保つ上での責任感が伴うこと、

その関係作りが大切だと感じました。

……薄々感じていましたが、この本は決してモテる為の本ではありません。

健全な青少年の交際とは、こうあるべきだという教育のための指針です。

この目次に書いてあることが全てです。

本書の中でドキッとした一文をご紹介いたします。

恋愛と友情の区別は、ひと口には「恋愛は結婚において完成されるものであり、結婚は協同して独立した生活の単位を築くものであるから、社会的に自立しているか、あるいは、自立するというはつきりとした責任感をもつていなくてはならない」といえましょう。そういう責任をとらずに、軽率に交際して、肉体的に結合しようとするようなことは、もちろん、真の恋愛ではなく、動物的な行為というべきです。

男女の交際と礼儀

*一部旧字を変換してあります。

この一文を心に留め、自立を「経済的自立」と捉え、

誰かを養えるだけの、責任を全うできる力を手に入れなければと思います。

軽率な交際、軽率な肉体的結合など、動物的行為だ!

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

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