世の中生きにくいと思っている方にオススメの本です。
笹舟
著者のふかわりょうさんは、この本のことを、
「この本は、私と世の中との隔たりに流れる川に、そっと流した笹舟です」
とおっしゃっていました。
ふかわさんは、芸能界の中で変わり者という印象が、私は持っていました。
しかし、変わり者というよりも、物事に対して繊細な感覚を持っていて、俯瞰的にみているように感じました。
私は、ふかわさんのような優秀な人間ではありませんが、
似ているなと思える部分もありました。
私は人に対して、恐怖心があり、他者との感覚をすり合わせるのが苦手です。
正確にいうと、すり合わせようとすると疲れてしまいます。
生きにくいと感じる世の中ですが、ふかわさんのようにどこか俯瞰的にみている人の意見を聞くと、
意外とこのままの自分を受け入れてもいいのかもと思えてきました。
「こんな人もいるよ」と囁いてくれるような本です。
世間とのズレに対して、一石を投じるわけでもなく、悲観するでもなく、
ただ、世間との自分の隙間に、笹舟に乗せた持論を流す本。
読んでるうちに心が軽くなります。
ラジオでの出会い
著者のふかわりょうさんが、ラジオの「サンデーナイトドリーマー」に、
ゲストとして出演されていた際に、宣伝されていたのをきっかけに読みました。
ラジオ内で、ふかわさんが言った「この本は、私と世の中との隔たりに流れる川に、そっと流した笹舟です」という言葉が、なぜかスッと自分に入ってくる感覚がありました。
情景が目にうかぶ、きれいな言葉を出せる人って憧れます。
そこから興味を持ち、本を購入しました。
気になってしまう自分
私には、略す資格がない。
世の中と足並みがそろわない|ふかわりょう
「三茶」、「二子玉」と呼ぶにふさわしい基準を私は満たしていないのではないか。そんな葛藤があり、スッと言えないのです。
世の中と足並みがそろわない|ふかわりょう
私もこれと似たような気持ちになることがあります。
初めて会った人に対して、いつからあだ名で呼んでいいのかわからなくなることがあります。
特に、友達から紹介された人とか。
「〇〇って呼んで」とか言ってもらえると、許可がおりたので呼べるのですが、
それがないと、なんと呼べばいいかわからないのです。
なので、学生時代クラスの女の子はみんな「〇〇さん」で呼んでいました。
もっと考えすぎることもあります。
ある年配の方と話した時に、その方は国道122号線のことを「ワン・ツー・ツー」と呼んでいたのです。
私はそのことを知らなかったのですが、次にその方に会った時に、
国道122号線のことを「ワン・ツー・ツー」と言ってしまったら、
「コイツこの間まで知らなかったのに、知ったかぶって呼んでる」
と思われそうで、嫌なのです。
考えすぎと思われるかもしれませんが、
他人がどう思うかが、嫌でも気になってしまうのです。
楽な気持ちで
世の中と足並みが合わないことは、「おかしい」ことでしょう。
ただ、「面白おかしい」ことでもあるのだと気づきました。
自分が気になること、周りと違うこと、
それ自体が個性にもなりうるのです。
しかし、そこには周りとの違いを、個性に昇華させる必要があります。
私は、足並みがそろわないことに、気疲れするだけです。
世の中との隔たりを感じ、観察し、知識と結合して、ユーモアに昇華させているのが、
ふかわさんだと感じました。
隔たりやズレに気疲れするのではなく、
受け入れて、もっと楽観的になれば、きっともっと気が楽になる。
そう感じました。

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
コメント