身体と心を休める 休養日帰り旅気分 【一人言 紀行文】

一人言

月曜日の朝。
普段ならアラーム音が無理矢理、
現実世界へと意識を帯び起こす。

しかし、この日は違った。
珍しく手に入った「平日休み」。
この日が楽しみ過ぎて、
休みなのに早く目覚めてしまった。
まるで遠足を楽しみにしている小学生の様に。
小鳥たちの歌声が、最高の一日の始まりを告げる。

以前、『世界の一流は休日になにをしているのか』という本を読んで、
この日は「最高の休養」を取ると決めていた。
思う存分、日頃から酷使している身体を休める。

起きて身支度を整えると、サウナスーツに身を包みジョギングへと出かける。
これがこの後の「最高の瞬間」につながる。
少し肌寒い空気が顔を覆った。
爽やかな空気が鼻を通る。
走りはじめると、同じくジョギングや散歩をしている人達とすれ違う。
「この人も休みかな。このあと出社かな」
そんなことを考える。
緑が多い道を走ると、気分が和らいでくる。
焦茶色の幹から発せられる、どこか香ばしい匂い。
深緑の葉から溢れ出る爽やかな香り。
少しずつ違う、幾重にも重なる緑のコントラスト。
その景色の中で、疲労で茶色に曇っていた自分が、
少しずつ浄化されていくように感じた。

家に帰ると、軽く汗ばんでいた。
「これでいい」
シャワーで汗を流し、軽く口を湿らせる程度に水を飲む。
ぬるい水道水が喉に張りついた。

モタモタしている暇はない。
すぐに服に着替える。
体を締め付けない、大きめサイズでストレッチが効いた服。
これが今日一日をゆるやかに楽しむための装備だ。

そして、気になって買ったミステリー小説を手に取る。
表紙に魅了されて買ったはいいものの、
積読されていた本。
これが今回の旅の相手だ。

バス停へと向かった。
バスに乗ると先ほどまでの爽やかな空気が一転。
車内には重苦しい空気が広がっていた。
スーツや作業着を着た、これから出社するであろう人々が、
その重苦しく湿っぽい空気を発していた。
しかし今日の自分にとっては、
それすらも味を引き立たせる、スパイスになる。

そっと持ってきた本を開く。
読み手を一気に引き込むプロローグ。
ここからこの本と、自分の一日の物語が始まる。

大きな工場の前のバス停で、半分くらいの人が降りて行った。
残っているのは、駅に向かうであろうスーツ姿と制服姿の人しかいない。
そんな人たちを尻目に、自分は近くに住んでいる人しか利用しないであろうバス停で降車する。
そこから徒歩10分。
向かう先は……。

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