雪の朝、箱は空だった 【一人言 選挙】

一人言

日曜日だというのに、仕事が入ってしまった。
こんなことなら、期日前投票しておけばよかった。
2月8日(日)は投票日だった。

朝イチで投票して、家を出れば間に合うか。
それにしても、7時からやっているって、
係の方は本当にお疲れ様です。
バイトの人もいるんだろうけど、
つくづく、お金を稼ぐのは大変だ。

朝起きると、妙に寒い。
やっぱり雪が降ったか。
車で行こうと思ったけど、
冬用タイヤを履いていないから、歩いて行こう。

真っ白な道を歩いていると、ちょっと気持ちがいい。
自分の足跡しかないと、
一番最初にこの道を歩いたんだという、
優越感のようなものを感じる。

大きく息を吸い込むと、
冷たい空気が脳まで届き、
頭を冷やしてくれた。

吐き出す白い息と共に、
ネガティブ感情まで出ていくようだ。
嫌な仕事の事を、一瞬忘れさせてくれる。
頭の中が空っぽになっていく。

そんな時ふと思い出す。
そういえば、投票を一番に行う人は、
あることをさせてもらえると聞いたことがある。
それは、投票箱の中の確認。

日本の選挙には、三原則がある。

① 普通選挙(ふつうせんきょ)
一定の年齢に達したすべての国民に、選挙権が与えられること。

② 平等選挙(びょうどうせんきょ)
一人一票で、すべての票の価値が同じであること。
投票できる回数はみんな同じ、1人1票。

③ 秘密選挙(ひみつせんきょ)
誰に投票したかを、他人に知られずに投票できること。

某国のように、誰かに見張られながら投票したり、
投票箱の中に、あらかじめ票が入っている、
なんてことはありえない。

そのため、投票箱の中が空であることを確認する。
それを、立会人と投票者が行う。
一番に投票する人は、それができるのだ。

人生で一度はやってみたいと思っていた。
もしかしたら、可能性もあるかもしれない、とも思っていた。

しかし、我が町の投票所は、
農家の方々の家の目の前にある集会所だ。
きっと、じいちゃん、ばあちゃんが一番に来るんだろうな。
自分が着くのは、7時ギリギリだし、
誰かしらいるんだろう。

そんなことを考えながら、歩いていた。

投票所に着くと、
中で忙しなく動く人影は見えるものの、
入口には誰もいなかった。

時刻は、6時55分。
なんと、一番乗りだった。

「やった」と思う反面、
こんな雪の中、
メチャクチャ張り切っているやつみたいで、少し恥ずかしい。

「記念に写真でも」と思ったが、
それこそ張り切っているヤツ全開ムーブなので、
そっと足元だけ撮ってみた。

しばらくすると、何人か人が来た。
7時になり、係の方が、
箱の中身を確認してもらう旨の説明を行った。

「あっ、そんなのあるんですね」
みたいなテンションで聞いていたが、
内心は、
「知っているのに白々しい、自分」に嫌気がさしていた。

しかも、箱の中を確認するのは、
先頭と、その次の2名だった。

まあ、何はともあれ、
初めての経験ができてよかった。

そうして、あっという間に投票を終え、帰路に着く。
降りしきる雪の中、
頭の中は、いつの間にか仕事のことでいっぱいだった。

足取りが重いのは、
雪のせいだけじゃない。

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