一人で生きていくことも悪くない。そう思わせてくれた本 【一人言 読書感想文】

一人言

重箱の隅

ふかわりょうさんが描く、不器用な日常を綴ったエッセイ集。

芸人のバカリズムさん曰く、重箱の隅だけを集めて詰め込んだ、ふかわさんの重箱だそうです。

ひとりが好きな方も、不安な方も、心が少しフッと軽くなる本です。

自分の最後について悩んでいた

好きなラジオ番組があります。

この本が、そのラジオで宣伝されている時の、

「最後くらい迷惑かけてもいい。綺麗な終わり方でなくていい。」というふかわさんの発言を聞いて、

ちょっと救われました。

自分はこのまま孤独で終わっていくのか。自分の最後の処理は誰がしてくれるのか。

そう思って不安になる日々でしたが、

少し「そうだよな。終わったら迷惑かけて申し訳ないとかいう気持ちもないよな。」と思えました。

以前にもふかわさんの本を読んだので、今回も気持ちが少し楽になればと思って、読みました。

自分を認めても良いと思える言葉

自分に対して自信というものが全くなく、

異性や友人関係にも支障が出ることもありますが、

少し気が楽になる言葉に、この本で出会いました。

しかし、不揃いなものが集まって形成される景観はとても美しい。自然は不揃い。人間も不揃い。雪の結晶に同じものがないように。

引用 ふかわりょう/ひとりで生きると決めたんだ

一人でいる自分に対する考え方

「ひとりで生きる」と聞くと、どこか冷たくて寂しい響きがあるように感じます。しかし、この本を読んで、その印象が少し変わりました。ふかわりょうさんの静かで率直な言葉たちは、「ひとりで生きる」という選択が、決して孤独や諦めではなく、自分を大切にするための強さでもあるのだと感じました。

 ふかわさんといえば、テレビのバラエティ番組などで見かけるお笑いタレントとしての姿の印象が強いですが、この本を通して、その裏側にある繊細な心や、周囲に流されずに自分のペースを守ろうとする姿勢が垣間見えます。

それは前回読んだ「世の中と足並みがそろわない」の本からも感じられましたが、以前にも増して強固なものになっているように感じました。

 特に印象に残ったのは、「自分の世界を大事にする」というメッセージです。

ふかわさんは、学生時代から周りとうまくなじめなかったり、芸能界でも自分の居場所を見つけるのに苦労したりしてきたそうです。

それでも、誰かに合わせて無理をするのではなく、自分らしさを貫くために「ひとりで生きる」と決めたという。

そして自分が心地よいと思うことに誠実で、自分に合わないことを無理に受け入れることなく、うまく付き合っていく感覚に憧れを抱きました。

 現代は、SNSや人間関係の中で「みんなと同じ」であることが求められることが多いです。でも、無理に人に合わせて生きるのではなく、自分の心の声に耳を傾け、自分だけのペースで生きることも、十分に素晴らしい選択だと思いました。ふかわさんの言葉は、そのことを楽しそうに、でもしっかりと伝えてくれました。

 自分は、一人でいることが気楽と思う反面、世間体などを気にしてしまうことがあります。

自分が心地よいと思える環境、考えを整理して、今手にしている時間を楽しめるようになりたいと思いました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました